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教員紹介

宇都 雅輝 助教 UTO Masaki

  • 社会知能情報学専攻
  • 知識創産システム学講座
  • uto(at)is.uec.ac.jp

私は、これまで、統計的機械学習手法を応用した教育情報システムの研究開発や、数理モデルを用いた能力測定手法に関する研究に取り組んできました。主な研究内容は以下の通りです。

(1) 評価者バイアスを考慮したパフォーマンス評価

入試や資格試験、人事考課など受験者の能力を評価する場面では、ペーパーテストなどの客観テストを用いて受験者の知識を評価することが一般的であったといえます。一方、近年では、現実的な状況で発揮されるより実践的で高次な能力(例えば、論理的思考力や発想力、協調性、リーダシップなど)を測定することが求められるようになってきました。このような能力の評価手法の一つとして、パフォーマンス評価と呼ばれる手法が、近年入試分野や人事考課をはじめとして広く注目されています。パフォーマンス評価では、一般に、面接やグループディスカッション、小論文といった実践的な活動や成果物を熟達者が評価します。パフォーマンス評価では、従来の客観テストでは測定が難しかった実践的で高次な能力を測定できると期待できますが、その反面、評価結果が評価者やパフォーマンス課題の特性(例えば、評価者の厳しさ/甘さや課題の得意/不得意の差異など)に強く依存し、能力評価の信頼性が低下する問題が指摘されてきました。
この問題を解決するために、私は、数理モデルを用いたテスト理論のひとつである項目反応理論を拡張し、評価者や課題のバイアスを取り除いて受験者の能力を推定できる手法を提案してきました。
提案手法は、入試や人事考課などでのパフォーマンス評価のみでなく、MOOCsなどの大規模eラーニングにおける学習者同士での相互評価やオンラインストアにおけるユーザ評価に基づいた商品推薦など幅広い領域で、主観評価の信頼性を改善できる手法であるといえます。

(2) 論理的な文章執筆を支援するアカデミックライティング支援システム

近年、アカデミックライティングスキル育成の重要性が高まってきています。アカデミックライティングで対象とする文章は、実験レポートや主張をともなうエッセイ、学術論文などです。このタイプの文章の目的は、著者の主張や結論を読者に納得させることにあります。このためには、客観的なデータや論拠に基づいて主張を論証し、読者が正確に文意を読み取れる論理展開で文章を執筆することが求められます。このようなライティングスキルは、高等教育終了時に獲得しているべき重要なスキルのひとつとして認知されつつありますが、現状の教育課程ではこのようなライティング技術の学習・訓練の機会が十分に与えられないことが指摘されています。
そこで、私は、文章の論理構造を多重マルコフ情報源とベイジアンネットワークを用いて数理的に定式化し、これらの手法を用いて、文章の論理構造に関する様々なアドバイスを文章執筆過程で逐次フィードバックできるシステムを開発しました。提案システムを利用することで、初学者でも論理構造を意識した文章執筆が可能となり、さらに、執筆された文章の論理性も向上することが確認されました。
現在は、提案システムを応用し、アカデミックライティング技術の獲得を促進する手法について研究しています。

(3) その他の研究

上記で紹介した以外にも様々な研究を行っています。キーワードとしては、マルコフ連鎖モンテカルロ法によるパラメータ推定、ベイジアンネットワークの構造学習、モデル選択、トピックモデル、組み合わせ最適化などです。

(4) 現実の問題への適用

研究開発した技術は、現実の問題に適用し検証することが重要だと考えています。共同研究などを通して提案技術を積極的に活用し、実社会に貢献できるより洗練された技術にすることを目指しています。

学生の皆さんへ

自ら積極的に研究活動に取り組むことで、専門知識だけでなく、課題解決能力や論理的思考力、コミュニケーション力やリーダシップなど、研究室の外でも重要な能力を養うことができると考えています。常に目標を持って楽しく研究活動に取り組み、それを通して皆さんとともに日々成長していければと思います。

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