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教員紹介

中川 博之 助教 NAKAGAWA Hiroyuki

  • 社会知能情報学専攻
  • システム設計基礎学講座
  • nakagawa(at)is.uec.ac.jp   

1.はじめに

ソフトウェアの担う役割と社会に与える影響はますます増大し,今や身の回りのあらゆる場面でソフトウェアが活躍している.しかしながら,その一方で,ソフトウェアの欠陥が実世界での致命的な障害を引き起こす事例が増加していることも事実である.これはソフトウェアの高度化・複雑化に対して,ソフトウェア技術が十分に発展・普及していないことによるものである.

このような高度で複雑化するソフトウェアを実現する手段のひとつとして,エージェント指向のソフトウェア開発法がある.エージェントとは自律的に行動するソフトウェアであり,エージェント指向とは個々のサービスを実現するソフトウェアをエージェントと見立て,複数のエージェントを協調させることにより,新たなサービス,つまりソフトウェアを構築する考え方である.このようなシステムは複数のエージェントが協調・連携することから,マルチエージェントシステムと呼ばれている.

特に,現在もなお拡大を続けるWeb上での情報検索や,ユビキタス環境における動的なサービス提供においては,ソフトウェアは利用者の多様なニーズに応える一方で,環境の変化に柔軟に対応する必要がある.このような環境では,ソフトウェアを分散配置させるとともに,多種多様なソフトウェアと連携が可能なマルチエージェントシステムの考え方は有効である.

2.研究テーマ

マルチエージェントシステムは環境の変化に動的に適応できることから次世代のソフトウェア基盤として期待される一方で,動作の正当性や安全性を十分に保証する必要がある.また,確実かつ効率的にマルチエージェントシステムを構築する手法は未だ確立されていない.そこで現在は,マルチエージェントシステム構築の難しさを軽減させるために,以下の観点から研究を進めている.

エージェント指向ソフトウェア開発手法・支援ツールの構築:

エージェント技術やその概念を利用したソフトウェア開発のための手法や支援環境の構築に関する研究を進めている.現在は特に要求分析法を利用したエージェントの機能割り当てや,既に提案されているエージェント指向開発方法論をモデル変換により結合することで,開発プロセスを通して矛盾やバグの混入を防ぐ開発方法を検討している.

仕様を満たすソフトウェアの構築:

マルチエージェントシステムに限らず,要求や仕様を満たすソフトウェアを構築することは容易ではない.そこで,ソフトウェアの正しさを保証することを目的とした,要求分析結果から仕様を検証・実行可能な形式仕様へと変換する手法や,テストデータの生成手法に関する研究に取り組んでいる.

現在はマルチエージェントシステムを主な研究対象としているが,上記の2つの研究テーマに限らず,ユビキタス,アンビエント環境などの次世代計算機器環境を想定した最先端ソフトウェア技術の研究も進めている.また,開発手法だけでなく,アーキテクチャや記述言語,実行プラットフォームにも研究の幅を広げる予定である.

3.学生の皆さんへ

学生時代には問題解決能力だけでなく,創造力や,特にアイデアを実証・実現する技術力を身につけてほしい.学生の間にオリジナルのソフトウェアを一つは構築し,提案を実現する力と,目標を達成する喜びを是非実感してもらいたい.
また,ソフトウェアや提案手法を複数の利用者に評価・利用してもらったときの喜びはひとしおである.提案・構築したソフトウェアの有用性を世間に問うためにも,論文やドキュメントを記述するための文書力と,プレゼンや議論をするためのコミュニケーション能力も身につけ,どんどん世界へ情報発信してほしい.

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