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教員紹介

松野 裕 助教 MATSUNO Yutaka

  • 社会知能情報学専攻
  • 経営情報システム学講座
  • matsuno(at)is.uec.ac.jp

1 安全・安心とリスクマネジメント

我々の生活は様々なシステム(System)によって成り立っています。パソコンや携帯電話、列車、自動車、さらには発電所など巨大設備まで、それらシステムは利用者に様々なサービスを提供し、生活を便利に、豊かにしています。しかしながらシステムを利用することにはリスク(Risk)を伴います。リスクとは、簡単にいうとシステムに起こりうる障害発生の確率とその深刻さを掛けあわせた概念です。極めて不幸にして、日本は想定外の深刻な障害を経験し、あらためてシステムがもたらす利便性の表裏であるリスクにどのように対処すべきか、強く問われています。私の目標は、システムのリスクを解析し、対処方法を考え、システムを安全にし、さらに安心して利用できると思えるようにするための手法やツールを研究開発することです。システムは、ソフトウエアやハードウエアだけではなく、運用者、開発者、そして我々自身もその一部として含むことがあります。高度情報化を迎え、あらゆるシステムがネットワークにつながり、絶え間なく変化しています。そのようなシステムの安全・安心(英語ではディペンダビリティ(Dependability)と言います)を確保するためのリスクマネジメントを行うことは、喫緊の課題であると同時に研究者にとって最も大きなチャレンジの一つだと思います。

2 安全・安心への一つのアプローチ:システム保証

リスクマネジメントには様々な側面があります。システムにどのようなリスクがあるのか解析すること(故障木解析、故障モードとその影響の解析など)、リスクへの対処法(冗長性機能、機能安全、耐故障性機能など)、そして今私が主に研究しているシステム保証(System Assurance)などがあります。システム保証とは、簡単に言うと利用者などの利害関係者(Stakeholder)に対して、システムが求められる性質(安全性など)を確かに持っていると納得してもらうことです。現在JST CRESTプロジェクトにおいて、システムが安全・安心であることを、テスト結果などの証拠(Evidence)によって、様々な利害関係者に保証するための手法であるアシュアランスケースの研究を、そのツール開発と合わせ行なっています。さらに、人工衛星や自動車、ロボットなどの実際のシステムから、ETロボコンなどの身近な例をとって、企業や研究機関の方と、活発な議論を研究会や講習会などを通して行なっています。ご興味がありましたらプロジェクトのホームページを御覧ください。情報システム学研究科では、これまで行なってきたシステム保証などと合わせて、リスクマネジメントの多様で、大変だけどやりがいのある側面に学生の皆さんと一緒に挑んでいきたいと思います。

3 学生の皆さんへ:総合科学としての安全・安心学

私は学生時代およびポスドクの数年間、プログラミング言語基礎理論を研究していました。その後様々な研究の場を経験し、現在は主に安全・安心学とシステム保証の研究を行なっています。研究には基礎から応用まで、色々ありますが、よく思うことは、どのような研究分野においても、培った思考法や知識・経験は、企業の方などと実際のシステムの安全・安心について研究を行うとき必ず生きるということです。システムが様々なレベルで技術的側面と社会的側面を両方持つようになり、安全・安心のためには多くの研究分野の知見が必要になってきました。学生の皆さんは文系から理系、基礎から応用まで、さまざまなバックグラウンドを持って情報システム学研究科に入学されると思います。ぜひみなさんと切磋琢磨し、一緒に日本を安全・安心な国にしていけたらと思います。どうかよろしくお願いいたします。

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