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教員紹介

本位田 真一 客員教授 HONIDEN Shinichi

  • 社会知能情報学専攻
  • 経営情報システム学講座
  • 国立情報学研究所
  • honiden(at)nii.ac.jp

1.はじめに

情報化社会を支えているのはソフトウェアであるといっても過言ではない。もしソフトウェアがこの世から消えた場合、インターネット上に成り立っているネット社会は消滅し、今の若い人にとっては分身ともいえる携帯電話も使えないという数十年前の世の中に逆戻りすることは自明である。ソフトウェアが世の中にもたらした効果は計り知れないものがある。しかしながら、特に2005年後半から現在に至るまで、ソフトウェアの不具合による大きな社会問題が続出している。その結果、ソフトウェアの持つ脆弱さが浮き彫りになり、ソフトウェアこそが情報化社会におけるリスクであるという認識が広く浸透した。
ソフトウェアは目には見えないが、紛れもなくモノである。ソフトウェアがモノであるからには、モノづくりが必要となる。ソフトウェア開発がこれに相当する。他の技術分野と比べても情報技術の進歩は非常に速く、新しいソフトウェア 技術が次々と出現している。また、開発すべきソフトウェアシステムも年々、大規模化、複雑化、高度化、多様化の一途をたどっている。こうした流れの中で、不具合の無い高品質なモノを開発するためには、モノづくりにかかわる様々な人材のスキルの高さ、成熟した開発組織、整備された手法・開発方法論や道具(ソフトウェアツール)など様々な要素が要求される。いずれの要素も重要であるが、特に手法・開発方法論や道具(ソフトウェアツール)の不足がソフトウェ ア・リスクの主たる要因となっているのが現状である。

2.研究内容

ソフトウェアの活躍できる場が拡がっている。ここ数年でも、大規模センサデータ、クラウドコンピューティング、Webサービス、ユビキタスシステム、サイバーフィジカルシステム(実世界の状況や問題を的確に把握し、サイバー世界の計算機パワーを駆使して迅速に解決する仕組み)など、ソフトウェアシステムが活躍しなければならない数多くの課題が出現している。これらの課題を解決すべく、新しいソフトウェアの作り方(ソフトウェア工学)の研究を行う。

3.おわりに

ソフトウェア工学の研究テーマは、日進月歩でソフトウェアが進展していく限り、永遠の研究課題である。その意味で新しい研究課題は常に出現するので、研究テーマの宝庫と言える。そして進展方向を見据え、前人未到の次世代の研究課題をいち早く先取りすることで、確実に研究成果が生まれることは自明である。学生諸君にはぜひその醍醐味を味わってほしい。

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