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教員紹介

吉永 努 教授 YOSHINAGA Tsutomu

  • 情報ネットワークシステム学専攻
  • ネットワークコンピューティング学講座
  • yosinaga(at)is.uec.ac.jp

1.はじめに

コンピュータとネットワークは、ますます密接に連携するようになっています。私は、このコンピュータとネットワークについて、高性能化と高信頼化をキーワードに研究を行っています。

2. 高性能計算とネットワーク

コンピュータの処理能力に対する人間の要求は、留まることを知りません。近年、高性能コンピュータの主流は、多くのプロセッサ等のハードウェア資源を高速なネットワークで接続した並列・分散型になってきました。具体的には、プロセッサからネットワーク・スイッチまでカスタム設計されたスーパーコンピュータや一般的なパーソナル・コンピュータ(PC)をLAN用のスイッチで結合したPCクラスタなどが挙げられます。そのような並列・分散コンピュータをハードウェア的にいかに効率よく構成するか、またソフトウェアからいかに効率よく利用するか、が課題です。現在の並列・分散コンピュータは、その持てる能力をピークまで引き出すことが容易ではありません。特に、元々並列・分散処理用に作られたわけではないPCを構成要素としたクラスタでは、計算と通信のコスト/性能バランスをユーザが熟慮する必要があります。私の研究室では、主に通信を担うネットワークのハードウェア設計と並列・分散プログラミング技術の双方から高性能計算にアプローチしています。

3. 高信頼ネットワーク

ネットワークに接続される計算資源が増えるにしたがい、信頼性の問題が益々重要視されています。高信頼ネットワークには、環境に応じて種々のレベルが考えられますが、私は並列・分散処理コンピュータの耐故障性とP2Pコンピューティングにおけるセキュリティに興味を持っています。前者は、高性能化を目的とした計算機環境において、ネットワーク接続された多数の計算資源の一部が故障しても、全体の機能停止や極端な性能低下を引き起こさないネットワークの構築技術です。後者は、多数のユーザによる協調処理を目的としたネットワーク・コンピューティングにおける認証やコンテンツへのアクセス制御を指しています。これらに共通する事柄は、安心してネットワーク上に分散したハードウェア及びソフトウェア資源を有効活用できる機構を確立することにあります。

4. 研究の進め方

高性能/高信頼コンピュータの研究分野では、インタフェースの設定が大切です。ソフトウェアとハードウェアのインタフェース、計算ノードとネットワークのインタフェースなど、種々のインタフェースが存在し、個々のインタフェース設計に関する最適解は必ずしも不変ではありません。何と何をどのレベルで役割分担するか、それぞれの要素技術に応じて柔軟に決定していくことが必要と考えています。したがって、インタフェースの両側を考慮しなければなりません。そこで、これからもハードウェアとソフトウェアの両面から高性能/高信頼コンピュータの諸課題に取り組んでいくつもりです。

5. おわりに

コンピュータとネットワークは、我々の生活と不可分なものとなりつつあります。この分野に興味をもつ学生の皆さん、「今、世の中は何を必要としているのか、我々はそこで何に貢献できるか」一緒に議論するところから始めましょう。柔軟な発想で、斬新なシステムを設計し、来るべきネットワーク社会に技術的貢献をしようではありませんか。

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