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教員紹介

山口 和彦 准教授 YAMAGUCHI Kazuhiko

  • 情報ネットワークシステム学専攻
  • ネットワークセキュリティ学講座
  • yama(at)ice.uec.ac.jp

1.基本的姿勢

私たちの生活は様々な機器に囲まれています。なかでも急速に発達している情報通信システムは、私たちの生活における欠くことのできない要素となりました。

インターネットを利用した様々な明るい将来が示され、日々実現されています。その一方で、ネットワーク上での犯罪・トラブルも頻繁に起こるようなりました。もちろん、世界中から集まる環境・エネルギー問題、紛争・飢餓などの国際問題等などを想起される方も多いでしょう。人が大量の情報に晒されるこの状況から後戻りすることはもうかないません。ならば、そうした情報・通信システムをうまく飼いならしていかねばなりません。そのためにはこれまでにない新しい技術の利用も必要となります。

そうした新しい技術を生み出すため、基礎理論と実際の応用という双方の立場を重視しています。第一に抽象的情報を扱う様々な理論や、それを運ぶための通信伝送理論を始めとする基礎研究を重視します。特に将来の情報通信技術に役立つような情報理論、符号理論、暗号・情報セキュリティ等の基礎的問題を扱います。第二に、次世代移動体通信や磁気記録、電子透かしというように具体的な応用から、そこにある問題を掘り下げる研究を行なっています。

2.研究分野

情報通信における様々な問題に興味がありますが、

特に「情報保護」

というキーワードをかかげて研究を進めています。これは情報が

(1)雑音などの自然現象による破壊
(2)悪意ある第3者による人為的な破壊(改竄など)

という破壊から情報を保護することを差しますが、前者は、符号理論(誤り訂正符号)、後者は暗号・情報セキュリティという分野をさします。但し、これらを「情報保護」とまとめて呼ぶことは一般的ではありません。しかし、両者はどちらも情報を守るという点で理論的にも関係する部分の多い研究分野といえます。そうした関係を重視する研究を進めています。

符号理論の全般にわたる問題に興味がありますが特に誤りを取り除く「復号アルゴリズム」を積極的に扱います。暗号・情報セキュリティでは、電子透かしや、さまざまな実用的なプロトコルに興味があります。

とくにこれまでの研究の中心となっているのはデイジタル的でない判断を行なう「軟判定(あるいは軟入力)」を利用するアルゴリズムです。軟判定は、たとえば「0」「1」の2者択一の判断をする時にその判断の信頼度の情報も利用するものです。衛星通信では古くから利用されていましたが、CDでは機器の簡素化のため、通常は利用されていません。今ではモデムや携帯電話でも利用されています。軟判定は次世代移動通信への利用で注目されるターボ符号・復号の鍵、軟入力軟出力復号に進歩しています。計算量の削減と誤り訂正能力の向上させるアルゴリズムの実現が課題です。また、電子透かし方式との融合にも興味を持っています。

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