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教員紹介

片山 保宏 客員准教授 KATAYAMA Yasuhiro

  • 情報ネットワークシステム学専攻
  • 応用ネットワーキング学講座
  • (独)宇宙航空研究開発機構
  • katayama(at)is.uec.ac.jp

宇宙探査について

月や小惑星、そして火星などの天体に、無人探査機や人間を直接送り込んで、科学的観測や調査などを行う活動が、宇宙探査(月・惑星探査)です。宇宙航空研究開発機構(JAXA)では、日本の宇宙探査を実現する活動を行っており、これまで、小惑星探査機「はやぶさ」や月周回衛星「かぐや」などを実施してきました。現在も、新しい技術を用いて、科学的に価値の高い宇宙探査の実現を目指した研究開発に取り組んでいます。

探査には、無人探査活動や有人探査活動などの多くの形態があります。無人探査は、無人探査機や遠隔操作/自律ロボットを駆使して、周回探査、着陸探査、表面移動探査、そしてサンプルリターンなどを行います。また、宇宙飛行士が探査活動を直接実施する有人探査は、より大規模となり、非常に高い安全性と信頼性が求められることになります。無人探査・有人探査の両方において、探査対象となる天体の地表面や、作業対象となる物体、そして探査機自体の状況など、環境の認識は必要不可欠であり、重要な研究課題とされています。例えば、探査機/探査ロボットと探査対象との相対的な位置姿勢や、探査機の周辺の環境状況の把握は、効率的にナビゲーションや探査作業を行うために必要です。こういった問題を解決する手段の一つとして、カメラにより撮影された画像を用いた高度な情報処理技術の利用が期待されています。

コンピュータビジョンの応用

人間は視覚によって、対象物の認識や空間情報の把握などの非常に多くの情報を抽出しています。この視覚に関する情報処理を工学的に扱うのがコンピュータビジョンです。コンピュータビジョンは、得られた画像に対して数理的計算を行い、撮影対象につての様々な情報を解析・分析します。宇宙探査の分野で、コンピュータビジョンの応用は始まっており、NASAの火星探査ローバのナビゲーションなどで、大きな成果を上げています。今後、探査機や探査ロボットの視覚として、より高度で複雑な応用が期待されています。

私は、日本の進める月着陸探査で求められる高精度な無人着陸技術の研究開発を主なテーマとしています。探査機の自己位置同定や、障害物検知回避の実現手段の候補として、ステレオ視を含む高度なコンピュータビジョンの応用が期待されおり、高高度からの広範囲の処理や、計測・認識精度の向上、処理速度の高速化などの実現に向けた研究開発に取り組んでいます。また、将来のより多様でインテリジェントな探査ロボットを用いた宇宙探査の実現に向けて、新しいコンピュータビジョン技術に関する研究も行っています。

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