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教員紹介

中村 整 教授 NAKAMURA Tadashi

  • 情報メディアシステム学専攻
  • 生体情報システム学講座
  • tad(at)pc.uec.ac.jp

個人的プロフィール

機械としての生体のメカニズムの解明とでもいうものが私の内部からの第一主題だろうと思っています。この主題が神経系をめぐって展開されているおかげでISの中に席を与えられているのでしょう。もともと機械を壊したり作ったり工作少年とでもいうものだったと思います。そのまま車とか電気器具の製造業に進むのが単純だったのですが、なぜかもの足らない気持ちがおきて基礎科学のほうに行きました。ところが生物学の先生達のアジテーションが効いたようです。その中に神経の研究者はあまりいなかったと思うのですが、気がつくと神経システムのメカニズムを触ってみたいという気持ちが出来ていました。多分その先生達とは少し違ったことをやりたいと思っていたのです。

今、まがりなりに神経の研究をしていますから、それなりに満足しています。それなりに というのは、成果がなかなか上がらないとか、一緒にやる若い人達がなかなかこちらの意図を理解してくれないとか、いろいろあって、研究者というのもなかなかつらい商売だからです。これは何をやってもそうなんでしょうが、それも含めて楽しもうとは思っているこの頃です。教師という商売をやっていて、何が嬉しいかというと、教えたことのある人が、またどこかで立派な仕事(研究とは限らず)をしているのを見ることであると、実感しています。

研究の内容

感覚神経システムの分子レベルからの研究、というのがとりあえずの謳い文句です。現代の生物学は研究手段として何でもとりいれるし、遺伝子工学が一般的になってからは、長い間疑問に思われていたことがあっというまに解決するようなことが頻繁に起きるようになりました。私がこの20年ほど力をいれてきた嗅覚のメカニズムもそうでした。20年前は、殆ど何もわかっていなかったのに、匂い刺激で活性化される酵素や、その結果開孔するイオンチャンネルが嗅神経の中に見つかって(後者は私の発見です。)さらにはそれらの情報経路上流にある匂い物質を吸着するレセプター(の遺伝子)が見つけられました。そしてその遺伝子の含まれている嗅神経が中枢に配線される様子が明らかにされると、そこに浮かびあがってきたのは、「どのように何万という種類が数えあげられる、非常に微妙な匂いの識別ができるのか。」という嗅覚情報処理の、基本的なメカニズムでした。この受容体遺伝子の仕事には2004年のノーベル医学生理学賞が授与されましたが、上記のイオンチャンネルの発見が一連の仕事のキッカケの一つにはなったはずです。このように実験的に明らかにされた生体のシステムは、動作原理の一個一個はむしろありふれたものの組み合わせです。自然の産物ではありながら、なにか工学的な製品のような気がしてなりません。

研究室では、生物学実験を行います。実験装置はパッチクランプ法を主体とする電気生理学の装置や、蛍光顕微鏡、共焦点レーザー顕微鏡などです。遺伝子工学や生化学的な装置や細胞培養装置などもあります。記録装置はコンピューターが主体でそれらのプログラムや、実験用回路・器具を作るのは日常のことになります。

また2001年からの5年間ほど続いた大型研究プロジェクトの一部を担当して昆虫を対象とする研究も始めました。昆虫は少数の神経しかもたず、脳も微小脳と呼ばれる小さなものですが、かなり高度な行動ができ、まるでロボットのようでもあります。研究室では昆虫の感覚神経の細胞内情報伝達のメカニズムを探ると同時に、記憶や食欲変動のメカニズムを遺伝子活性化などの分子レベルのメカニズムと中枢神経の回路動作や行動までを対象としています。その脳を眺めていると、このくらいの大きさならなんとかその動作メカニズムを解き明かせるのではないか、という気になってくるのですが、一緒にやってみようとは思いませんか?

以上のように、電通大としてはかなり毛色の変わった研究室ですが、実験の好きな人には遣り甲斐のある研究が待っているはずです。

教員紹介