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教員紹介

広田 光一 教授 HIROTA Koichi

  • 情報メディアシステム学専攻
  • 対話型システム学講座
  • hirota(at)is.uec.ac.jp

研究について

バーチャルリアリティ(VR)という言葉が一般的に使われるようになったのは、私が修士の学生の頃でした。博士課程では触力覚提示に関する研究に取り組んで、操作における触力覚の必要性や役割について考えていました。それから20年以上が過ぎて、VR技術も飛躍的に進歩しました。とりわけ、視覚的な現実感の向上は素晴らしいものです。しかしながら、VR環境で現実と同じようなインタラクションができるようになるという夢は、まだ実現されていません。手で直接ものをつかむというというアイディアは当時からありましたし、グローブ型の動作計測デバイスなどもすでに使われていました。それでも今なお、VR環境で現実のように器用な操作をすることは難しいのです。このような背景から、次のテーマに取り組んでいます。

(1) VR環境とのインタラクション

現実と同じように器用な動作や操作のできるVR環境を作ることを目指す研究です。VRシステムは、ユーザの動作を計測して、シミュレーションに用いるユーザのモデルを作り、これと環境とのインタラクションを計算して、環境の応答やユーザのモデルに生じる感覚刺激を計算して提示します。このユーザと環境のループを、できるだけ精度よくしかも実時間でまわす必要があります。VR環境と現実環境の違いは、このループのどこかに不十分な点があることで生じます。具体的な作業を想定することで、問題を明らかにしてその解決方法を探ります。

(2) 身体性とスキル

私たちは現実環境に生活していて、その中で現実の法則を体感し、身体運動の能力を体得しています。身体の状態を認識して運動を生成するために、人は身体についての何らかのモデルを持っていて、その形成には視覚・触力覚・体性感覚などが複合的に関係していると考えられています。また、このモデルが巧緻な動作に重要な役割を果たしていると考えられています。VR環境では、視覚や触力覚の情報は人工的に作り出されるものですから、現実と異なる感覚情報の提示も可能です。この仕組みを使うことで、器用さやスキルの本質にアプローチしようとしています。

(3) インタラクションの応用

以上のような基礎的な研究を応用へと結びつけることにも興味を持っています。最近になって、身体や手の動きをカメラなどのような非装着で安価なデバイスで取得する技術が普及してきました。体や手をつかったインタフェースがより身近なものになってきています。このような動向も見ながら、展開を考えたいと思っています。

教育について

教育という視点から学生の皆さんに身につけてほしいのは、論理的に考えて主体的に進める力です。これまでの勉強では、正解のある問題を与えられた方法で解くことが多かったのではないかと思いますが、研究の中あるいは社会に出て直面する問題のほとんどは正解がありません。自分なりに境界条件や作業仮説を設けてアプローチすることが求められます。これはまた、興味や強みなどの個性を発揮できるという意味で、楽しくやりがいのある仕事です。
ところで、この分野の研究においては、工作やプログラミングは避けて通れません。創造的な思考には、アイディアを発想するだけでなく、これを外部に取り出して表現すること(外化)が有効だと言われています。発想と表現の試行錯誤をとおして、アイディアを形成するのです。工作もプログラミングも外化のための手段として欠かせないものです。

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