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教員紹介

橋山 智訓 教授 HASHIYAMA Tomonori

  • 情報メディアシステム学専攻
  • 情報メディア学講座
  • hashiyama(at)is.uec.ac.jp

1. 知的なシステムを目指して

インターネットをはじめとする情報ネットワークの急速な発展とともに、私たちはコンピュータに囲まれて生活する時代に暮らしてます。そのような環境の中で、生活の質の向上をもたらすはずの便利な新機能の多くについて、残念ながら、その操作方法の習得に時間を割かれてしまうことはよく経験することではないでしょうか。こういう問題は人間の高度な適応力が(不本意ながら)解決しているといえるでしょう。逆に、これらの能力をコンピュータの側で持つことができれば、すなわち、知的なシステムを構築できれば、私たちの暮らしはより快適になるでしょう。あるいは、人間に動'作'の方'法'を規定するという意味で、筋の良い"作法"を提供できるインタフェースが提供できることも、快適さを増すことにつながるでしょう。私たちはこのようなモチベーションを持ちながら研究を進めています。

2. これまでの研究のアプローチ

知的なシステムとして人間の高度な情報処理機能の計算機モデルの構築を目指して研究を進めてきました。人間の関係するところには本質的にさまざまなあいまいさが含まれるため、広くあいまいさを取り扱うことができるSoft Computing手法を中心に研究を進めてきました。システム記述のためのファジィ理論、学習・適応システムとしてのニューラルネットワーク、知識の利用・探索のための進化的アルゴリズムを基本とし、お互いに補完するためのハイブリッドシステムについても研究を進めてきました。また、コンピュータの速度とメモリの増加によりもたらされた劇的な変化、すなわち、量的な変化が質的な変化を導くことも考え、ハードウェア化に関しても研究を進め、ソフトウェア的に適応可能なハードウェア(回路)に関する研究も行ってきました。

3. これからの研究方向

これまでの研究を工学的に展開し発展させることはもちろんですが、認知心理学的な知見を積極的に取り込んで研究を進めていきたいと思っています。具体的な問題意識の一例を挙げると、知的システムの構築に際して、環境との相互作用をどのように考慮するべきかという点があります。同じ目的を達成する場合であっても、おかれた環境によって解決方法が異なるのは自然なことです。この問題をどのようにモデル化できるかは非常に興味深い問題であるとともに、チャレンジングで難しい問題です。環境の中からどのような情報を抽出して動作を決定するかを考えることは、知的システムを直接的に構築することに加え、前述の"作法"について検討することにもつながると考えています。人間を対象にするとき(研究一般に言えることですが)、ある問題が解決した気がすると、別の問題が生じ、結果としてわからないことが増えているという状況が多々あります。しかしながら、この悩ましい状況が研究を進める一番の理由であり、楽しさでもあります。このような状況に対して着実に研究を進めることで、大学人として存在感のある研究をしていきたいと思っています。

人間が関わるさまざまな問題に対して、学生諸君とともに考え、悩みながら、新しいことにチャレンジしていきたいと思っています。その中では、独りよがりを自戒しながら研究を進めることも大切だと思います。自分自身で考えることで、固定した枠にとらわれない、知的好奇心を満足できるようなわくわくする研究ができるように心がけたいと思っています。これらのことが結果として、工学の発展に寄与できる研究になると信じています。

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