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教員紹介

三輪 忍 准教授 MIWA Shinobu

  • 情報システム基盤学専攻
  • 高性能コンピューティング学講座
  • miwa(at)is.uec.ac.jp

スパコンからスマートフォンに至るまで,現在のありとあらゆるコンピュータシステムはより少ない消費電力でより高い性能を実現することが求められています.この限られたエネルギ資源を社会の発展のために有効利用しようという社会的ニーズは,今後ますます強くなるでしょう.当研究室は,いずれ訪れる低炭素社会において必要とされる,超低消費電力かつ超高速なコンピュータシステムを実現するための種々の基盤技術(コンピュータアーキテクチャ,回路技術,並列処理方式,システムソフトウェアなど)を研究しています.具体的な研究テーマは以下のとおりです.

ヘテロジニアスコンピューティング

汎用コンピュータの電力効率(消費電力あたりの性能)を改善する研究は,これまでは「どうしたらハードウェアを増やさずに電力効率を改善できるだろうか?」という発想のもとに行われてきました.しかし,長年の研究の積み重ねにより,現在はこのようなアプローチによってシステムの電力効率を改善することが難しくなりつつあります.当研究室では,積極的にハードウェアを投入することによってコンピュータシステムの電力効率を改善する方法を研究しています.この方法では,1つのシステムの中にヘテロジニアスな(電力や性能の異なる)ハードウェアモジュール(CPUやメモリなど)を複数搭載しておきます.そして,アプリケーションのタイプやフェーズに応じて使用するハードウェアを選択し,使用しないハードウェアについては電源を遮断することで,少ない消費電力で高いアプリケーション性能を実現します.このようなコンピューティング方式をヘテロジニアスコンピューティングと言います.現在,「どのモジュールをどのようにヘテロジニアス化するか?」「ヘテロジニアス化された個々のモジュールを誰(ハードウェア or システムソフトウェア)が選択するか?」「選択にはアプリケーションのどのような情報を利用すればよいか?」について研究を進めています.

高性能計算機システムにおける電力管理方式

将来のスパコンは20~30MWという厳しい電力制約のもとでエクサフロップス級(浮動小数点演算を1秒間に1,000,000,000,000,000,000回)の性能を実現することが求められています.このような高い電力効率を実現するため,CPU,メモリ,ネットワーク,アクセラレータなどのさまざまなデバイスをオーバープロビジョン(大量に搭載)したシステムを我々は提案しています.このシステムは,アプリケーションのタイプやフェーズに応じて各デバイスのピーク電力を最適化することにより,与えられた電力制約下において従来よりも高い性能を実現します.このピーク電力を調整するプロセスをパワーシフティングと言います.デバイスのピーク電力は,例えば電源投入するデバイスの数を制限する,デバイスが利用可能な動作周波数を制限するなどの方法により制御します.現在は2種類のデバイス間(CPU – メモリ間,CPU – ネットワーク間など)のパワーシフティングについて研究しており,将来はあらゆるデバイス間のパワーシフティングを実現する予定です.

ニューロコンピューティングのための計算基盤

現在のCPUは,ほぼすべてがフォンノイマン型と呼ばれるアーキテクチャを基本とし,その改良を重ねることによって進化してきました.しかし,そもそもこのようなコンピューティング方式は電力効率の面で優れているとは言えず,電力効率をさらに高めるためには,今後はニューロコンピューティングのようなまったく別の方式を採用する必要があるのではないかと言われています.一方,ニューロコンピューティングは,画像認識などの特定の問題に対しては多くの成功事例がありますが,現在のコンピュータが得意とするような一般の問題に対してどのようにニューラルネットを構成し,学習すればよいかはまだよくわかっていません.上記の構成法や学習法を開発するためには大規模なニューラルネットの振る舞いを高速に模倣できる計算環境が必要とされており,どのようにハードウェアを構成すればそのような環境が構築できるかを研究しています.

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