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教員紹介 リレーコラム

情報システムが切り拓く未来 第1回 2008年3月

情報システム研究者のある白昼夢

渡辺 俊典
情報システム基盤学専攻 情報システム基礎学講座

計算機文化との出会い

画とともに40年あまり前の学生時代には航空学科にいましたが、企業の研究所から来られた教授の先生に、「これからは計算機と情報処理の時代だよ」と言われ、あまり悩むこともなく友人と共に古巣を捨てて電気系メーカに就職しました。以来、計算機や情報処理の分野に身を置いています。今から思うと、先生の「予言」は見事的中しました。

機械系の航空学科からの転身ですので、就職した会社で初めて計算機を見ました。空調の効いた専用室、中央処理装置と取り巻きの磁気テープ装置などの周辺装置、デバッグ相談のための窓口、、。重いプログラムカードを担いで居室と計算機室とを行き来した風景は、鳥居をくぐってお宮参りする村人の風景と重なります。

大威張りの大型計算機の傍めいました。ところが半導体技術の飛躍的進歩に支えられ、瞬く間にメインフレームを放逐し、PC、インターネット、携帯電話などの現代を実現したわけです。

10万年後の現代の位置づけ

研究室入り口10万年~100万年の視野で人類史を振り返ると、歩行、道具、火、言語使用などが顕著な史実です。では、10万年後の人類史に現代はどう記載されるでしょうか?私は、次のような記載の可能性を空想します。

「今を去る10万年前、ルネサンスという事件がヨーロッパに発生した。その特徴は人の脳の自由な活用の称揚であったので、自然や自身の理解あるいは操作の知識がそれまでと比べて爆発的に増大しはじめた。知識爆発は人類の脳に過負荷を与え、寿命100年の半分以上を知識習得に割かねばならなくなり滅亡の危機に瀕した。この時、人類は知識の記憶や操作を人に代わって代行する計算機という道具を発明し、脳の外部に蓄積されつづける情報を脳に負担をかけずに管理できるようになり、滅亡の危機を回避できた。これは、生命の設計知識の記憶や管理のための装置としてrRNAを生み出した生命誕生期の事件と比肩しうる大事件であった」。

日々の研究

ゼミ風景このような白昼夢を見たからというわけではないのですが、当研究科に着任した当初から、計算機が自ら多種多量のデータを、出来るだけ人手を介さずに分類・検索・要約できようになる一般性の高い方法を探究しています。対象は、テキスト、画像、音などの多種のメディアデータです。計算機に判断原理として「情報の硬さ=圧縮性」(完全乱数列はもっとも硬いダイヤモンドに相当)を与えることで、そのような技術の可能性があることを実証中です。ここ数年、ビデオを入力するのみでそこに出現する人物の動作を要約できるようになるシステムの開発をおこなっています。

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