このページの先頭です

メニューを飛ばして本文を読む

ここから本文です

サイト内の現在位置

教員紹介 本棚紹介

工藤 俊亮 KUDOH Shunsuke

情報メディアシステム学専攻 知能システム学講座
准教授

書棚の概略・研究テーマとの関連

人間の行動を観察してロボットにまねさせる,というような研究をしています.ロボットにまつわる本といえば,SFやアニメから真面目な学術書まで,実に多岐にわたって出版されています.しかしせっかくの機会なので,そういう具体的な話ではなくて,(特に学生諸君には)大学で学ぶということ・大学院で研究するということの意味について,ちょっと真面目に考えてもらえればと思い,そんな思索を動機付けてくれそうな本を紹介することにします.

お薦めの本~学部生・一般向け

『新装版 数学・まだこんなことがわからない』 吉永良正,講談社ブルーバックス

数学といえば,高校までは,用意された解答にいかに早く正確にたどりつくかの象徴のようなものだったかもしれません.本当は,数学には未解決の問題がたくさんあります.本書は,有名な未解決問題を取り上げ,研究者たちがそれらと格闘してきた歴史をドラマチックに描きます.私は初版で読んだのですが,当時,フェルマーの定理は未解決問題でした.新装版では,この定理がいかに解かれたかが解説されています.しかし新装版でも,ポアンカレ予想は未解決問題のままです.実際には,もう解決されています.学問の世界は,今このときも,ドラマチックに動いています.

『先生はえらい』 内田樹,ちくまプリマー新書

別に,私のことを尊敬しろとか,そういうのではありません.「なんで大学に通ってんだろう」とか「なんで勉強してるんだろう」とか,ふとそういう疑問を抱いてしまったときに,考えるヒントを与えてくれる本です.高校生向けに書かれているのでサッと読めてしまうでしょうが,内容はむしろ大学生が読むほうがしっくりくるものだと思います.

お薦めの本~修士課程向け

『解析概論』 高木貞治,岩波書店

学部1年のときに教科書に指定されて,撃沈した記憶があります.大学院に入ってから読み直してみると,大事なところだけがまっすぐ丁寧に説明されていて,著者の整然とした頭の中が垣間見えるようで,感動すら覚えました.K&Rの『プログラミング言語C』なども,同様の感動を与えてくれる本だと思います.この種の「美しい」本を鑑賞するにはある程度訓練がいります(学部1年のときの私はそれどころではありませんでした…).大学院生の諸君は,本書を眺めながら,ぜひこういった美しさを楽しめる感性を磨いて下さい.

『古典力学の形成』 山本義隆,日本評論社

力学を,現代的視点からきれいにまとめられた教科書で学んでいると,ついつい見落しがちですが,実際には,ニュートンの『プリンキピア』からラグランジュの『解析力学』まで,実に100年以上の歳月を要し,そこには様々な人々の思惑・取り組みがあったのです.本書では,「力学が作り出されてゆく過程」が,かなり詳しく再現されています.大学院に進学した諸君は,学問を作り出す作業=研究にいそしむことになります.その感覚を,本書を通じて感じてもらえればと思います.

お薦めの本~博士課程・共同研究者向け

『相対性理論』 A. アインシュタイン, 内山龍雄(訳),岩波文庫

比べるのも気恥しいことではありますが,自分の論文が100年後に一般書として出版されて世界中で読まれているなんて,正直まったく想像できません.内容の重要性やインパクトはもちろんですが,明快でありながら読むものを魅きつけるストーリー展開など,書きっぷりとしてもやはり一級品だと思います.自分の知性に喝を入れたい時に,よく読み返します.

教員紹介