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学術講演会:イベント・ニュース

第10回学術講演会レポート

電気通信大学大学院情報システム学研究科は、去る11月30日(火)に同大学講堂で学術講演会を開催しました。

情報システム学研究科では、情報システムと社会の関わりをとらえた学術講演会を隔年で開催してきました。第10回目にあたる今回は「人間社会におけるこれからの情報システムのあり方:ネットワークと群知能/集合知の視点から」と題して、学外から3名、学内から1名の講演者が参加し、「ヒトが作るネットワークに固有の複雑さ」と「意思を持つ個体の集団が"創発"する振る舞い」の観点から、これからの情報システムのあり方について講演しました。参加者は130名程度でした。

多田好克研究科長の開会挨拶に続いて、まず、電気通信大学情報システム学研究科の長江准教授が「集団とメカニズムを活用した交通混雑とテーマパークの待ち時間損失解消」として話題提供を行ないました。

次に、東京大学大学院情報理工学系研究科の増田直紀准教授が「ネットワーク上の意見形成ダイナミクス:影響力が大きいのは誰か」と題し、人間同士のつながり(ネットワーク)を分析するネットワーク科学の基礎と最近の動向を見通しよく整理した上で、その社会ネットワーク構造と個々人の意思決定ルールが集団の意見形成にどのような影響を与えるのかについて講演しました。

続く防衛大学校電気情報学群情報工学科の生天目章教授は「郡知能とネットワーク型制御」と題し、局所的な情報に従って行動する個々の主体の集団が見せる「群知能」について、生物の世界や人間社会で観察される実例を交えながら、それが創発されるメカニズムとその工学的な応用について講演しました。

最後に、大阪大学産業科学研究所の栗原聡准教授が「ヒトの環境との新しいインタラクション関係の構築に向けた構成論型アプローチ」と題して、ユビキタス社会における人間行動マイニングや広域交通情報の実時間提供といった問題に対して、群知能・シミュレーションを活用した最新の研究成果について講演しました。

各講演の後には会場から積極的な質疑応答があり、実り多い半日の講演会となりました。

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